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2020年6月24日水曜日

[集めて比較]VVRケーブルに使えるケーブルストリッパー

「VVRストリッパー」は存在しない

第二種電気工事士試験に毎年ではないが、時々登場するのがVVRケーブルだ。VVFと違って、このVVRケーブルを加工する専用の工具として製品化されたものは、今のところ市場に出回っていない。「VVFストリッパー」という製品が何種類もあるのに対して「VVRストリッパー」はという製品は無いのだ。今日ではそもそもVVRケーブルという材料が試験以外の場所で使われる機会がほとんどないので、無理も無い。

VVRケーブルはどうやって加工する?

VVRケーブルはVVFケーブルとは断面の形状や寸法が異なっている。なのでVVRケーブルのシースを剥くのにVVFケーブル用のワイヤーストリッパーをそのまま流用したとしてもうまくは加工できない。ただし芯線の被覆はVVFケーブルやIV線と共通の工具で加工できるので、そこは心配要らない。課題は、中にある心線もその被覆も傷付けずに、どうやって手早くシースを剥ぎ取るか、という事だ。

専用の工具が無い中、VVRケーブルのシースを剥ぎ取る作業を、受験者は様々な方法で行っている。比較的やっている人が多そうな例を挙げていくと、次のものがある。

  • 電工ナイフを使う
  • カッターナイフを使う(ただし持込の自粛を求められている)
  • ペンチの刃で手加減しながらシースだけ切る
  • VVFケーブル用のストリッパーの切断部分で手加減しながらシースだけ切る

このページを読んでいる人にも、これらのうちのどれかの方法で対処している人が多いのではないかと思う。

VVRケーブルの加工にはコツが必要?

第二種電気工事士試験向けの各種の教則本を見ると、ペンチや電工ナイフを使う作業方法が書かれている場合が多い。しかし書かれている内容は皆同じではなく、読む本によって様々な異なる方法が紹介されている。ただそれらの方法はいずれも、コツの要らない簡単な作業方法ではなく、反対に作業者に対してある程度の器用さやテクニックを要求するものだ。

VVRケーブルは毎回必ず登場するものではないし、たまたま使用する課題が出題されたとしても、使用する箇所は少ない。なので、手先の器用さに自信のある人ならば、お金を掛けてまでVVRケーブルを加工するための工具をわざわざ用意しなくても、教則本に書いてあるようにペンチや電工ナイフを上手く使いこなす方法で、それほど苦労する事なく自分の器用さを活かして乗り切る事ができてしまうかも知れない。

市販の教則本の立場では、テクニックはある程度必要だと割り切って、切り捨てているような雰囲気がある。

しかし、不器用なので手加減のコントロールでは上手な加工ができる自信がないとか、コツなどに頼らずにいつも安定した仕上がりになるような作業をしたいと考えている人も居ると思う。あるいは、試験の本番は、多かれ少なかれ緊張するので、そこでうっかり手元が狂ってしまうのが心配だ、という人も居るのではないだろうか。そこをなんとか、という事で、市販の教則本には載っていない方法を模索してみたい。

コツに頼らないケーブルストリッパーという選択肢

そんな、VVRケーブルの加工に悩める受験者にお薦めするひとつの方法が、「ケーブルストリッパー」という工具を使った方法だ。この工具はVVRケーブルの加工専用の工具ではないながらも、比較的コツが要らずに、VVRケーブルの被覆の剥ぎ取りに使える工具としておすすめできる。

ケーブルストリッパーは、シンプルな仕組みの、刃物の工具だ。あらかじめ刃の出幅を調整しておいてから、被覆を剥ぎ取りたいケーブルやコードをガイドに通して位置を安定させる。安定したらケーブルの周りをぐるりと一周させると、被覆を剥ぎ取るための切り込みが一定の深さで一周、均一的な深さに入る、というものだ。深く切り込み過ぎないように予め調整ができるので、芯線やその被覆を切りつけてしまうという失敗の防止に役立つ。単純な仕組みなので故障しにくく、刃が突出していないので安全性が高く、工具にとって大事でなおかつデリケートな刃が欠けにくい。

メーカーによって細かい違いはあるが、図で示すと概ねこの様な仕組みだ。


 これを使うとだいぶコツが要らずに加工できるようになる。VVRケーブルに苦手意識を持っている受験者は、だいぶ悩みが軽減されるのではないだろうか。

ほとんどの製品は刃の出の長さの調節を無段階にできるので、使えるケーブルはVVRに限らない。断面が円形のケーブルならば、多くのケーブルに使い回せる。例えばキャブタイヤケーブルなどにも使える。どれくらいの太さのケーブルに対応できるかというのは、製品によって異なる。第二種電気工事士試験で使うならば、8mm~28mmか、あるいは4mm~16mmの径のケーブルに対応した製品がちょうど良いだろう。

ケーブルストリッパーの製品カタログ

試験以外でも、現場で安定した加工をしたい場合などにも役に立ってくれる。軽くてかさばらないので、工具入れに1個入れっぱなしにしておいても邪魔にはならないだろう。下に、製品の違いを比較できる様にコメント付きでカタログを載せておいた。

グット(太洋電機産業) YS-100


ハンダ付け用工具でお馴染みのgoot(太洋電機産業)。なぜか他社よりも低価格。どんなものかちょっと試してみたい人にも。

デンサン ケーブルストリッパー ND-800S


デンサン ケーブルストリッパー ND-800S 










視認性に優れたカラフルなカラーリング。ケーブルを挟む金具には親指を添えられるパッドつき。


ロブテックス(エビ) ケーブルストリッパー CS28


ロブテックス(エビ) ケーブルストリッパー CS28


全体的にがっしりしていて、大きな滑り止めグリップの付いたタフな造り。電気関連では他の工具とカブりにくい緑色のカラーリングは、工具入れの中で見つけやすい。

マーベル(MARVEL) ケーブルストリッパー MC-012


マーベル(MARVEL) ケーブルストリッパー MC-012





コードを押さえる部分がステンレスでなく、手にソフトな感触の樹脂製。芯線の剥ぎ取り用のストリッパーが付いている。
ベッセル(VESSEL) ケーブルストリッパー ケーブルの被覆剥離用 3700KS
ベッセル(VESSEL) ケーブルストリッパー 3700KS



やや低価格ながら、手にフィットするデザインに、親指を沿えるパット付き。他メーカーをよく観察して、出来のよい後発製品を生み出した感がある。




2018年9月27日木曜日

ハンマー

指定工具に含まれていないハンマーの話です。むしろ、試験の本番には持ち込まない方が良いと言えるかも知れません。うっかり誤って使えば致命傷を招きかねません。しかし、練習をするときには1本ハンマーを持っておくと良いと思います。

ハンマーを何に使うのかというと、アウトレットボックスの穴を打ち抜く(ノックアウトする)のに使います。しかし、気をつけるべきは、試験本番の施工条件です。例年、アウトレットボックスの穴は支給された時点で既に打ち抜き済みの穴のみを使用するという条件が示されています。この条件に反してうっかり自分で打ち抜いてしまったりすると、一発不合格となる危険性もあります。受検案内のほうではこの事には特に言及していないので、今ここで知った人はラッキーなのでそのまま覚えておくと良いと思います。

この様に試験の本番ではやってはいけないノックアウトの加工ですが、 練習となると話が変わってきます。練習用の材料としてアウトレットボックスを購入すると、通常はノックアウト部分が全く打ち抜かれていない状態で納品されてきます。当然、そのままでは練習ができませんので自分で打ち抜く加工が必要です。

ノックダウンの打ち抜き方ですが、こうしなければならないという作業方法が特にあるわけではありません。とにかく、作業の安全性や仕上がりに問題なく切り込みの入った部分を打ち抜きさえすれば大丈夫です。実際に色々な方法で穴を開ける人がいますが、中でも比較的多くの人が行う方法は、マイナスドライバーをノミ代わりに使って、ハンマー等で叩いて打ち抜く方法です。マイナスドライバーは垂直に近い角度にして、先端はノックダウンで切り離したい部分にぴったりと当てた状態でブレない様にしっかり保持します。その状態でグリップをハンマー等でコツンと叩けば、それほど強い力で叩かなくても、スコンとノックアウトできます。

ノミの様に叩くので、貫通ドライバーなどを使えばもちろん作業がしやすいでしょう。しかしそこまで強い力で叩く訳ではないので、必ずしも貫通ドライバーを用意しなくてもよく、電工用のボールグリップドライバーなどであれば問題ありません。その辺りは個人の好みで考えて大丈夫です。また、叩く側のハンマーも、力強く叩ける鋼製のハンマーや玄能を使っても良いと思いますし、ドライバーを傷めにくいゴムハンマーや木槌やプラスチックハンマーを使っても良います。中にはウォーターポンププライヤーなどの重い工具で叩けば良いという人も居るのですが、叩く側の工具も、ドライバーのグリップも傷みそうなので、個人的には抵抗があります。

とりあえず、試験の本番で使いはしないでしょうが、練習用のアウトレットボックスをノックアウトするために、1本あると良いと思います。

その名も「電工ハンマー」というこんなハンマーがある。天井裏でよく使うW3/8(ウィット3分)のレンチがグリップに組み込まれている。



大工さんにはおなじみ、定番の八角玄能。八角玄能は、狭い隙間などで横打ちできるのが強み。木下地へのステップルの打ち付けなど、木質系の部分でのやや細かい作業に適した60匁(225g)。


安心して叩けるゴムハンマー。現場では、架台の組み立てなどにも。



ベッセルのボールグリップドライバーの貫通タイプ。これならば間違いなし。

2018年3月24日土曜日

ニッパー

第二種電気工事士試験の指定工具ではないながらも、電気工事で日常的に使われる工具としてメジャーなもののひとつがニッパーだ。現場では、腰袋に常備している人も多いのではないだろうか。

試験ではどんな場面で役立つかというと、例えば、リングスリーブの圧着をミスしてしまい、部分的に解体したい場合だ。

リングスリーブの圧着箇所は、やや加工が難しく、ミスが起こりやすいポイントである。 例えば線がリングスリーブに入る深さがずれてしまったり、必要な線を一本差し忘れて圧着してしまったり、誤った色の線を圧着してしまう等である。

通常、受験者はこういう失敗もある程度想定し、指定寸法よりも少し余裕を見て長めの線で組み立てを行うものであり、もし誤ってリングスリーブを圧着してしまった場合は束になった線を圧着したスリーブの際でパッツンと切り落とし、必要に応じて再び芯線の被覆を剥ぎ取ったりして、部分的に線が少し切り詰められた状態で再び正しく組み立て直すという対応の仕方が定石だ。

ただ、これを行うと、線の長さが多少不揃いになり、組み立てづらくなってしまうし、見栄えも悪くなりがちだ。また、線を切り詰めるのも回数的に限度があるので、もうこれ以上失敗できないという心理的なプレッシャーが増えてしまう。

こんな時にニッパーがあると、尖った先端に近い部分にも刃があり、見通しの良い状態で細かくカットできるので、切り詰める線の長さが最低限で済んだり、テクニック次第では線を切り詰めずにリングスリーブだけを切り裂いて、圧着を外す事ができる。

とは言っても時間的な限度もあるし、 十分に練習しておけばそうそう間違えない様にもなるものだ。ただ、心理的にプレッシャーが余計にかかり過ぎても作業のパフォーマンスの低下につながってしまう原因を生んでしまう。心理的な支えとして、受験のお守り代わりに1本持ち込んでおくとメンタル面でプラスの効果が得られるのではないだろうか。


切れ味・高い耐久性でお馴染み、現場でも定番のフジ矢。


工具は全てホーザンで統一したいという人に。お馴染みのブルー。


「薄刃」というのは、つまり細かい作業ができるということ。


抜群のコスパで支持者増加中のツノダ。JIS規格もしっかりクリア。

2018年3月8日木曜日

フジ矢 ヒッポケース

高品質なプロ向け工具でお馴染みのフジ矢から2~3年前に発売された便利でかっこいい工具ケースだ。

実技試験の当日、ほとんどの受験者がカジュアルな服装で受験するのだが、工具に関しても、それ程多くの工具を使うわけではないので、普段使いのバッグに入れて持ち運ぶ受験者がほとんどだ。

そんな時に、コンパクトにバッグインできて、固くて尖った工具からバッグの内側や工具以外の荷物が傷まない様に、しっかり保護してくれる。ふつうのペンケースや雑貨のポーチに比べると、もっと丈夫な材質でできている。

特徴的なジッパーは、デザイン上のアクセントであるばかりでなく、ガバッと大きく開いて、目的の工具が探しやすい実用的なものだ。邪魔にならない、フラットな小さなハンドルが付いているのもポイントだ。バッグインして使うにも、単体で手持ちで使うにも使いやすく、よく考えられたものだ。

サイズがS・M・L・2Lと揃っており、さらにカラーバリエーションもあるので、収納する工具の内容量に合わせて選んだり、分類するのに便利だ。

ふだんの工具の収納用にも、試験会場への工具の持ち運び用にも、おすすめのケースだ。

Sサイズ 黒✕オレンジ

Mサイズ・アイスグレー

Lサイズ・ライトグリーン

2Lサイズ・ベージュ

2018年3月4日日曜日

ホーザン VVFペンチ

今日紹介したいのは、ホーザンのこんな形のペンチです。刃の形に特徴があり、一般的なJIS規格のペンチとは見た目がだいぶ違います。

ホーザンVVFペンチの写真

指定工具のうち、ケーブルをカットする工具といえば、ペンチです。しかし実際のところ、JIS規格のペンチでは、ケーブルをそれほど切断しやすくはありません。1.6mmの2芯などならまだ良いのですが、2.0mmの3芯ともなるとそれなりに握力が必要で、ちょっとしんどいです。

そんな場合に、指定工具に加えて下の写真の様なVVFケーブルストリッパーを持ち込むと、この刃で切断すればペンチで切断するよりもだいぶ楽に切断する事ができます。

ホーザン VVFストリッパー P-958

JIS規格のペンチとの切断しやすさの違いの秘密は、刃の仕組みの違いにあります。JIS規格のペンチは、2つの刃がぶつかり合う様になっており、ちぎる様な切り方なのですが、VVFストリッパーは、一般的なハサミと同様、2枚の刃がすれ違って、せん断する様になっています。こういう切り方の方が、楽に切断できるのです。

ホーザンVVFペンチの先端部分の写真
ホーザンVVFペンチの先端部分

ホーザン VVFペンチが特におすすめなのは、例えば、下の写真の様な下の写真の様なVA線ストリッパー(ガチャガチャ)を使用する人です。


このVA線ストリッパーには、ケーブルを切断する機能はありません。そのため切断には別の工具を使う必要があるわけですが、上に書いたとおり、JIS規格のペンチではあまり切断しやすくはありません。だからといって、結局P-958のようなVVFケーブルストリッパみたいなものも追加するのでは、出費がかさみますし、大ぶりな工具がかさばってしまいます。

そこで、ペンチを敢えてJIS規格ではない、このVVFペンチにしてみるのがおすすめです。工具の数を増やすこともありませんし、ケーブルの切断もラクにできます。

ちなみに、このホーザンのVVFペンチですが、他のメーカーはこのペンチによく似たペンチを以前から発売しています。以前にこの記事で紹介しています。
しかし、手持ちの工具を全てホーザン製で統一したいという根強いホーザンファンの人も居ると思いますので、そういう人にはこのホーザンのVVFペンチがおすすめです。
ホーザンVVFペンチの写真
ホーザン VVFペンチ

2018年3月2日金曜日

ホーザン 合格クリップ

被覆を剥ぎ取ったケーブルの端部をちょっとまとめておいたり、リングスリーブを被せる時にちょっと自分ひとりでは押さえづらい、といった時に、一度束ねたケーブルの状態をキープしておくためのクリップだ。



初めて見た時はホーザンの商魂たくましさに思わず笑ってしまったが、それでもよく考えられた、試験の本番でしっかり役立つ便利アイテムだ。小さなクリップだが、合格するための知恵とアイディアがぎっしりと込められている。

結線する線の本数が多少異なってもうまく中心に集まってくる形状だとか、束ねたままリングスリーブを被せて、最後にかしめる工程の時にまで邪魔にならない様にほとんどが針金1本でできているとか、とにかくよく工夫されているのだ。

この形状を見て、何となく、他ののもので代用できそうな気がしたので、実は色々探してみたのだが、この使い勝手に匹敵しそうなものは見つからなかった。細身の洗濯バサミでなんとかならないか、と思っても、この専用設計に比べると色々使いづらさの予想がついてしまう。しかも、このクリップの価格がそんなに高くないだけに、他のもので代用しようとするとかえって金額的に高くついてしまったり、仮に少し安上がりだったとしても金額的に僅かだったりするので、この使いやすいと分かりきっている合格クリップをわざわざ他のもので代用する意味が無い。

また、商品は10個入りであるが、そんなに無くても足りるだろう。友達と割り勘で買って半分ずつシェアするのも良いかも知れない。    

2018年3月1日木曜日

ホーザン 合格ゲージ

この合格ゲージは、単体で使うものではなく、同じホーザン製のVVFストリッパー、P-958に装着して使うもので、電気工事士試験のほぼ専用みたいな工具だ。無くても合格はできるのだが、あれば便利なのは間違いない。芯線の被覆の剥ぎ取りの長さや、先端の切り落としの位置を、ツメで印を付けたり、指でつまんだりといったことをしなくても、距離を測ったらそのままスムースな流れで切れ目を入れて被覆を剥ぎ取る事ができる。スピーディーで省力化した作業ができるようになるうえ、ミスの軽減も期待できる。

VVFストリッパー P-958


現行のP-958だけでなく、ひとつ前のモデルP-957にも装着可能だ。
価格も、工具を何かひとつ買うよりは安い。



ホーザン(HOZAN) 合格ゲージ 

2018年2月21日水曜日

マルト長谷川工作所 ケイバ(KEIBA) ワイヤーストリッパー V.V.F.ケイバ・プロフェッショナル

その名の通りVVFケーブルのストリッパーである。

ぱっと見から、唯一無二というか、他のメーカーの類似品が見当たらない、個性的な形だ。






全長170mmとコンパクトなサイズで、ケーブルの切断機能は無く、被覆の剥ぎ取り専用だ。シースを剥くための刃が一直線なのが個性的だ。シースは刃で切るという発想ではなく、切断線の大部分に切り込みを入れたら、残りの僅かにつながっている部分は引っ張ってちぎるという発想だ。ただむやみにその作業を行おうとすればかなり力任せな加工だ。しかしそうはならない。先にシースに縦裂きをするのだ。先に縦裂きをしてから横向きの切込みを入れ、引き剥がすという手順がメーカーの推奨する手順だ。その縦裂きが丁度良い深さで安定して行えるように、縦裂き専用の刃とガイドが付いている。


メーカーサイトより



試験で人気のホーザンやMCC製のストリッパーで3芯の線の剥ぎ取りをする場合、2芯の線よりも力が必要になる。この製品では2本3本とまとまった線を1本ずつにほぐす事で、軽い力で簡単に引きちぎりながら剥ぎ取るという加工方法なのだ。

この加工方法は、実は現場ではよく行われている。試験の時は、それほど長くシースを剥ぎ取る作業は無いのだが、現場で長くシースを剥ぎ取る時は、芯線の中間を狙ってシースを縦に裂くという作業を多くの人が行っていると思う。こういう作業に慣れている人には、親しみやすい原理だと思う。

また、刃が一直線なのは、ケーブル断面の形にあわせた円弧状の刃よりも、研ぎやすくて切れ味が安定していそうにも見える。また、力加減を調節すれば、VVFケーブルに限らず、他の種類の電線の加工にも汎用性がありそうだ。1本で色々使い回しが効くとなると、全長170mmというコンパクトな外観と相まって、現場で持ち歩く工具を減らすのには好都合だ。

造りの精密さや刃の切れ味も素晴らしい。北米を中心に海外でもその名を知られるおよそ100年続く燕三条の老舗によるマルト長谷川工業所の製品であるだけに、信頼性も十分だ。

市販の実技試験対策の教科書には載っていない加工にチャレンジする事にはなるが、既に現場で色々な加工作業を経験している人や、試験の合格後、現場での使いやすさを見据えた人には、良き相棒になるかもしれない。




2018年2月12日月曜日

ツールロール

セットで工具を購入した場合、ケースも含まれているのがほとんどだ。しかしバラで購入した場合は、ケースも自分の好きなケースを選ぶ事ができる。スーパーのビニール袋でも良いのだが、 工具の多くは重くて固い鉄製でゴツゴツと尖っているので、できればもう少ししっかりしたケースに収納したい。また、使ったら毎回同じ場所に戻してしまうという事は、作業のロスを軽減でき、作業のペースの安定にも貢献する。練習時から本番と同じケースを使うことに慣れておくと、心理的な安心感も持てる。


第二種電気工事士の実技試験では、それ程多くの工具を使うわけではないので、小型のケースで十分だ。小型のケースにも色々あるが、今日紹介するのはツールロールというタイプの工具ケースだ。

 ツールロールは、細長いポケットが帯状にたくさん縫いつけられた布製のケースだ。収納するときはロール状に丸めて、出し入れするときには伸ばして使う。

ほとんどの受験者は、工具入れを直接手に持って試験会場まで移動するというよりは、普通のバッグの中に工具ケースを入れて試験会場に行くと思う。ツールロールは、工具ひとつひとつを個別のポケットに納める様に収納するので、バッグの内側の生地やバッグに入れた文房具類などのほかの荷物を傷めにくいし、工具同士がガチャガチャとぶつかって傷ついたり、あるいは大きな音が出るのを防いでくれる。試験の機会にひとつ手に入れておくと、その後も少量の工具を運ぶ際に役に立つ機会もあるだろう。個人的にはお勧めだ。

私もこれを試験の本番で使った。リングスリーブの圧着工具がビッタリ入るジャストサイズ。


安定のホーザン。シックな黒一色。


無駄のない少なめのポケット。持ち込む工具が少なめの人に。


タイプの異なるポケットが付いた、マルチな収納力。


2018年1月11日木曜日

スリーピークス 電工Fペンチ

ペンチは第二種電気工事士試験の指定工具に含まれている。定番は175mmのJISマーク付きのタイプで、受験用工具セットを購入する場合は、だいたいそれが入っている。
しかしペンチは必ずしもJISでなくとも良い。確かにJIS製品には、ハズレが無い。一方、JIS無し製品に関しては、JIS製品よりも安くて粗悪なものにばかり目が行きがちだが、逆にJISよりももっとプレミアムな仕様になっており、その結果JIS規格から外れているという製品もある。
プロの職人が使う工具メーカーがそうしう製品を作っている。例えば、ペンチだとかモンキーレンチなどには、そういう製品が多い。
ペンチ自体はある程度汎用性のある工具で、VVFケーブル以外にも様々なケーブルやコードを切断する事が想定されている。そればかりか、電気工事の用途ばかりとは限らない。なので、JIS規格のペンチは電気工事士技能試験でVVFを加工する作業にも使えるけれども、目一杯そういう作業に最適化されている工具という訳ではない。
一方、電気工事の実務に目を向けると、VVFケーブルは実によく使われている。VVFを加工する作業ばかりが作業の大半を占めるという現場も珍しくはない。そういう実務的なニーズがあるので、JIS規格のペンチよりももっとVVFケーブルに特化して作業をしやすい様に設計された製品も市販されている。そうした製品の中でとても有名なペンチのひとつがこれだ。
第二種電気工事士の実技試験でも、扱うケーブルのほとんどがVVFケーブルな訳なので、このペンチを使うと、JISのペンチを使うよりも、きっと快適に受験できるだろう。
大きな特徴は、JISのペンチは刃が付き合わされる様に閉じるのに対して、このペンチでは刃がハサミの様にすれ違う。JISのペンチの様に挟み切るのでなく、せん断するのである。
この違いにより、 グリップを比較的軽い力で握るだけで、すんなりとケーブルを切断する事ができる。ハサミの様なタイプのVVFケーブルストリッパーを使ってケーブルを切断するとペンチで切断するよりも楽に感じるのは、同様の理屈だ。
例えば、ハサミの様なタイプのVVFケーブルストリッパーではなく、自動式のVA線ストリッパーを使う場合には、ケーブルの切断はペンチで行う事になると思う。その際に、JISのペンチでなくこのペンチを選ぶと、ケーブルの切断も楽に行う事ができる。非常に作業が早く進みそうな組み合わせである。

価格は少々高めだが、検定試験に限らず、実務でもVVFの加工を多く行う人は、持っていて損のないアイテムではないだろうか。

スリーピークス 3.peaks 電工Fペンチ 220mm DF-220

2018年1月8日月曜日

定規を持ち込むという手

受験案内を読むと、指定工具の欄には「スケール」と書かれている。「スケール」と言われると、曖昧ではある。英語を訳すと、定規も巻尺も、はたまた秤もスケールである。そうではあるが、日本の建設業界では一般的に巻尺の事を言う場合がある様な雰囲気がある。なので巻尺と考えておくのが無難だろう。

という事なのだが、敢えてそこに定規もプラスしてみるのもひとつの手だと思う。

私は試験の当日コンベックスを持ち込み、50cmほど引き出してテーブルの手前側の端に置き、そこでケーブルの長さを測りながら作業した。それで十分作業はできていたのだが、うっかりコンベックスの本体に手をぶつけてボトッと落としたりなんかする危険がある。なのでそうならない様に、作業をしている間中気を遣う必要があった。これが仮にコンベックスではなく定規だったりすると、薄くて手が引っかかったりしにくいので、もう少し快適だったのではないかな、持って来れば良かったかな、とその時思った。

ケーブルの長さの測定には、それほどの厳密さは求められない。例えば30cmの定規しか用意していなかったとして、それで60cmのケーブルの長さを図りたい場合でも、ケーブルの端から30cmをまず計って、そこを指でつまんでプラス30cmを測る、という様な図り方で、精度としては十分である。

直尺でもいいと思うし、曲尺なんかだと、荷物としてかさばりはするものの、直尺よりももっと安定して、落とす心配が減らせると思う。ひと工夫として、定規を持ち込むというのはアリではないだろうか。これから受験する人には、検討を勧めたい。


鋼尺の直尺。薄いので、誤って手を引っ掛けにくい。



軽いアルミ製。すべり止め付きで落ちにくそう。5cmおきに数字が強調されているのも便利。


 テーブルの平面にベタッと置けば安定して、誤って落下させる危険が少なそう。

腰袋は用意すると便利

例年、公式の受験案内に「工具を入れるための腰ベルトは使用できます。」と書いてある。なので、腰袋を持ち込む事は全く問題が無い。

それで、実際持ち込むかどうかについてだが、私は持ち込む事をお勧めする。

 試験会場では持ち込まない人の方が多いと思うのだが、持ち込む人もそんなに珍しいわけではない。私は持ち込んだ。持ち込んだおかげで、ずいぶん作業がしやすかったと思う。

私は、事前に会場の様子をネットで調べておいた。私が受験した会場は、普段は見本市などを行う大きなホールで、そこに細長い会議室テーブルと折りたたみチェアが並べられた会場だった。「テーブルの奥行きが狭い」という情報が多く見つかった。確かに、私も試験の本番の日には、狭いと思った。うっかり気を抜くと、テーブルの向こう側に工具や材料をポトポト落としてしまいそうな感じだった。

ただ、私は事前にその事を知っていたので、自宅で練習をする時から腰袋を装着し、使用頻度の高い
  • プラスドライバー
  • マイナスドライバー
  • VVFストリッパ
  • ペンチ
  • 圧着機
は、腰袋に差す様にしておいた。細かい事を言うと、 マイナスドライバーはそれほど使わないのだが、プラスドライバーとセットにして差せるようなホルダーを持っていたので、わかりやすいようにそうしておいた。

この方法には、こんな良い事がある。
  • 狭いテーブルの上でも作業スペースが広く取れる
  • 使用頻度の工具をポトポト落とす心配が無い
  • ホルダーや腰袋の定位置を決めて工具をおくことで、道具の持ち替えがスムースにできる

やってみると案外メリットが多いのである。
おまけに、試験の日には胸ポケットのあるシャツを着て、シャープペンシルと目印用の油性マーカーを胸ポケットに入れておく様にした。

ちょっと格好悪い様な気もするけれど、逆に試験場でかっこいいからといって何かいい事があるわけでもない。「格好悪くてもいいから絶対合格したい」という人にはお薦めだ。

ちなみに、どんな腰袋がいいのか、については、個人差があると思うが、そんなに大げさなものでなくても良いと思う。上に書いてある、使用頻度の高い工具だけ差せればとりあ十分だ。普段現場で使っているものがある人はそれで十分だと思うし、試験に合わせて買いたくなってしまった人は、ワンタッチベルトと、ちょっとしたもの1つで十分だと思う。余裕のある人は、ドライバーやペンチをそれぞれの専用ホルダーに分けるようにすれば、さらに作業しやすいだろう。



私が実際に使ったのはコレ。タジマのロングセラー。素材が丈夫で、型くずれせずしっかりしている。そして結構安い。デザインにおかしな威圧感も無いので、お客さんのいる現場でも使いやすいと思う。


初めて腰袋を買う人は、ベルトを買おう。ワンタッチベルトが便利。電工ではお馴染み、安心品質のフジヤ。なぜかベルト関係はちょと安くて狙い目。私も愛用している。