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2020年7月2日木曜日

フジ矢 電工VAストリッパ FVA-1620をレビュー

ホームセンターでよく見かけるFVA-1620

第二種電気工事士試験の試験会場でVAストリッパを使っている人を見ると、ホーザンのP-958かMCCのVS-4Aを持っている人がとにかく多い。それらに比べてこのフジ矢のFVA-1620は少数派のイメージがある。ところがホームセンターの店頭に出かけてみると、このFVA-1620を置いている場合が多く、ホーザンのP-958やMCCのVS-4Aなどはむしろなかなか見かけない。売り場でよく見かけるので、このフジ矢のFVA-1620のことが気になっている人も居るのではないだろうか。

P-958やVS-4Aと違うところ

このFVA-1620、パッと見てまず気がつく点がある。P-958やVS-4Aでは芯線の被覆を一度に3本まとめて剥けるのに対し、このFVA-1620では1本ずつしか剥けない。まずそこが目につくため、敬遠する人が多いと思う。しかし、実際に作業をしてみてようやく分かる事だが、芯線が一度に1本ずつしか剥けないというのは、実は大した弱点ではないのだ。

というのも、第二種電気工事士試験で使う電線は短いので、シースの中の芯線はよくズレる。3本の芯線の先端がきれいに揃っていればまとめて2本や3本の芯線を剥く事ができるのだが、先端の長さがズレてしまったり、芯線が折れ曲がって先端が揃わない状態になってしまえば、いくら最大3本同時に芯線をむく事ができるP-958やVS-4Aを持っていたとしても、結局1本ずつ芯線を剥くという事がよくある。

また、仮に芯線がきれいに揃っていたとして、2本や3本をまとめて剥く時には、それなりに気を遣って位置合わせをしなくてはならない。それに比べて一本ずつ剥く場合の位置合わせははるかに簡単で、ずっと速くできる。そのため、一本ずつ芯線を剥けば2本・3本をまとめて剥く場合の2倍・3倍の時間が単純にかかるのかというとそうではなく、時間差はもっと少ない。結局これらの時間差を全部合計したとして、課題を仕上げるのにトータルで掛かる作業時間がどれ位違うのかというと、多めに見繕ったところで1分間にも達しないだろう。

この点に関してフジ矢のFVA-1620は潔く、芯線が1本ずつしか剥けない様になっているため、全体的にすっきりして、1.6mmを剥く部分と2.0mmを剥く部分との見分けが付きやすくて良い、という気もしてくる。

他にP-958やVS-4Aと違う部分は、バネが無い事だ。連続して作業をするには、バネがある方が作業しやすいと思う。しかし、無い事がそこまで大きな不都合だとは感じない。バネが無い分だけ重量が軽いし、バネにケーブルが引っかかるという事もない。もちろんバネが壊れる心配もない。バネが無い事にはデメリットがあるばかりでなく、反対にメリットもある。

FVA-1620ならではの長所

逆に、FVA-1620が優れている部分もある。全体のコンパクトさ、グリップの握りやすさ、価格の安さだ。

その他の点として、フジ矢ならではの全体的な造りの良さがある。刃の切れ味、先端部分の滑り止め加工、樹脂パーツの整形の精密さなどは、P-958やVS-4Aよりも少し上質感がある。価格は安いのに造りは上質、というのはおトク感が大きい。

どうも、商品写真を並べらて見比べられると見劣りしてしまう部分が目立つものの、手に取って使ってみてようやく気付くような長所が多いような感じがする。試験ではP-958やVS-4Aに決して劣らず十分使いやすい工具だと思うし、品質、価格、使いやすさを総合的に見ると、実務はもちろん、第二種電気工事士の会場でももっと人気が出ても良い製品である様に思う。

ホームセンターの売価はちょっと高いかも

このように、フジ矢のFVA-1620は実用面で優れた製品であるため、ホームセンターが常時在庫しておくという品揃えの判断は、あながちおかしなものではない気がする。ただひとつ引っかかる点は、ホームセンターでの販売価格の高さだ。下の価格と比べてみて欲しい。アマゾンで買えば、ホームセンターで買うよりもずっと安いのだ。ホームセンターはこういう競合の価格をチェックしているのだろうか。これからも同じ値段でこの製品を売り続けるのだろうか。私なら、アマゾンで買ってしまう。




フジ矢 電工VAストリッパーFVA-1620

2020年5月17日日曜日

ツノダ (King TTC) VVFストリッパー VAS-230のおすすめポイント

コスパの高さで当サイトも注目しているツノダから、VVFストリッパーVAS-230が発売された。
VVFストリッパーといえば、第二種電気工事士の試験では非常によく使う工具なのだが、これまで、ホーザンのP-958とMCCのVS-4Aという2強体制が長く続いてきた。そこへこのツノダのVAS-230はゲームチェンジャーとなるポテンシャルをも秘めた、かなりの良品である事が分かった。
VAS-230の製品写真
写真:ツノダ公式サイトより

機能


VAS-230で可能な作業は、
  • 電線の切断
  • シースの剥ぎ取り(1.6mm2芯/2.0mm2芯/1.6mm3/2.0mm3芯)
  • 芯線の被覆の剥ぎ取り(1.6mm2芯/2.0mm2芯/1.6mm3/2.0mm3芯)
  • ケーブル先端の輪づくり
  • 長さの測定
 だ。これはホーザンのP-958ともVS-4Aとも同じである。比較して不足している機能は特に無く、逆に、ホーザンのP-958とVS-4Aではできないプラスアルファの作業ができるかというと、そういう事もない。

 サイズと重量 

  • 全長 238mm
  • 重量 220mm
P-958とVS-4Aとの3者で比較すると、全長は長い方のP-958の225mmよりも13mm大きく、重量はP-958とVS-4Aともに210gであるのに対し220gだ。全体的にやや大柄だ。しかしこの程度の違いだと、気になる程ではない。

注目すべきポイント

細かい部分について見ていくと、後発メーカーが満を持して投入した新製品であるだけに、P-958やVS-4Aと比べたときに弱点らしい弱点が見受けられない。
逆に細かい点が先行する2製品よりもよくできている。具体的には、
  • 両面にスケールが付いている
  • バネが外側に突出していない
  • グリップにツバがなく、その代わり指の位置が決まりやすいように凹凸をつけてある

 という部分だ。

両面にスケールが付いている点に関してVAS-230を評価できるポイントは、特にP-958に比べて使いやすいという点だ。P-958は、片面には工具の機能を示すアイコンが、裏側の面にはスケールが描いてある。それらはどちらも同じ色で描かれていて、パッと見て見分けが付きづらい。スケールを使おうと思ったら裏側でした、みたいなトラップによく引っかかってしまう。VS-4Aはまた違っていて、アイコンもスケールもすべて片側の面に集めてある。これだと、「何か描いてある方」を見ればそちらの面にスケールがあるので、見分けが付きやすくて、P-958に比べて地味に使いやすいのだ。ではVAS-230はどうなっているのかというと、どちらの面にもスケールが描いてあって、裏表関係なく使えるという、これまた便利な仕様になっている。ただ、両面に描かれているスケールが同じではなく、ちょっと違う。片側のスケールがもう片側に比べてスカスカになっている。二種電気工事士試験にはどちらの面のスケールでも対応できるのだが、これを両面とも全く同じ様に描いておいてくれると、なお一層使いやすくなる筈だ。ここに関しては今後の改良に期待したい。

バネに関しては、P-958もVS-4Aも、板バネが突出したタイプだった。その突出した部分に物が引っ掛かりやすいというのは弱点だった。しかしこのVAS-230はバネが突出しない様に形状が工夫されている。P-958やVS-4Aのバネの弱点を確実に意識したうえでの設計ではないかと考えられる。

 
グリップの形状に関しては、VS-4Aのグリップには、P-958には無いような大きめのツバがあり、それによって握りの定位置が決まりやすくなっている。しかし他方ではそのツバが工具差しや腰袋のフチと干渉して収納しにくいという欠点にもなっていた。VAS-230はというと、ツバは無いながら、グリップに凹凸を付ける事で、工具差しや腰袋のフチへの干渉を避けながらも、握りの定位置が決まりやすい様になっている。

価格



VAS-230はまだ発売直後という事もあり、販売価格の変動が激しい。もう少し流通の状況が落ち着いてきたら、コスパの高さで定評のあるツノダであるだけに、P-958やVS-4Aより安い販売価格に落ち着く事も期待できる。

第二種電気工事士の受験向けの工具では、久々にインパクトのある新製品のリリースだ。圧着工具、そして今回登場のVVFストリッパーVAS-230と、相変わらずコスパの高い製品を次々とリリースするツノダから目が離せない。

ツノダ(Tsunoda) VVFストリッパー VAS-230

2020年1月5日日曜日

フジ矢 KUROKINシリーズ

フジ矢から、工具や腰袋の新シリーズ「KUROKIN(黒金)」が発売された。

従来も黒のウエストラインシリーズ、明るいメタリックグレーのパールシリーズ、オレンジのグリップで統一された工具シリーズなど、すっきりとしてデザイン性に優れた印象のフジ矢製品であったが、新発売のKUROKINシリーズはこれまでのフジ矢製品同様にすっきりシンプルなのに加え、シックさと高級感も感じさせる、工具の世界では割と珍しいテイストが特徴だ。
さらにこのKUROKINシリーズ、工具も腰袋も共に含まれた、幅広い製品ラインナップであるのも珍しい。工具のシリーズは電気工事系の工具に加え、配管工事系の工具も含まれている。電気工事業ばかりでなく、設備工事業にも使えるラインナップとなっている。
他のシリーズと比べるとハイスペック・高機能の製品で固められており、ワンランク上の作業性が得られる。機能性・外観ともに、企業のイメージ向上にひと役買ってくれるに違いない。思い切ってユニフォームの一部として全面的に採用してみるのも手だ。



フジ矢の看板商品のひとつとも言えるペンチ。手への負担が少ない偏芯タイプ。
フジ矢 偏芯パワーペンチ(黒金・シャックル付)225㎜ 偏芯テコでらくらく切断 3000N-225BG


グリップエンドにナット/ボルトを
スピーディーに回せるマルチスパナを搭載。


フジ矢 クイックモンキーレンチ(黒金) 0~32mm (軽量・開き幅ワイド) FGP-32-BG


大量の結線もサクサク捗るストリッパは、素早く握れる様にハンドルの開きを極小に設計。
フジ矢(Fujiya) VA線ストリッパ 黒金 FVA101-BG


腰袋はタフさもワンランク上の素材を採用。
フジ矢 腰袋スタンダード3段(黒金) PS-23BG 水・汚れ・こすれに強い素材


統一感のあるデザインがぐっと引き立つサポートベルト。
フジ矢 サポートベルトL(黒金) PS-SLBG

2018年1月14日日曜日

工具はセットとバラ、どっちがいい?

第二種電気工事士試験の工具、セットとバラのどちらを買うのが良いか?

結論から言うと、どちらもアリだと思う。一概にどちらが良いとは言えず、受験者のタイプによると思う。
  • 手軽に済ませたい人はセット(そのほうが断然ラク)
  • こだわる人はバラ(そのほうが断然楽しい)

もうひとつ言うと、第二種電気工事士試験を受験するだけでなく、実務でも電気工事を行う予定のある人は、多少面倒でもバラで揃える事をお勧めする。小さな違いでも、毎日の様に仕事で使うとなると、使い心地の良し悪しの違いは影響が大きい。また、工具選びをする過程で、工具に関する有用な知識が自然に増える。

それから、 バラで購入する事には、コストを下げられる可能性もある。それまもたメリットだ。まずセットものの工具は割安になっているのかというと、あまり割安ではない。バラで買い揃えた金額の合計とほとんど変わらない。一方で、工具のセールは、まめに探すとあちこちでやっている。そもそも安物で品質が悪いようなものは買わない様に気をつけるべきなのだが、そういう事ではなくて品揃えの入れ替えに伴う処分品やモデルチェンジの型落ち品などで、品質には全く問題のない商品が値引き販売によって安く買えるという事はけっこうある。例えば失業中に受験する人など、「お金は無いけど安いものを探すために手間や時間はかけられる」という人は、手間をかけてそういうセール価格の製品を探し、1種類でも2種類でもセール品の安い金額で手に入れる事ができれば、受験に掛かる費用の節約にもつながるのではないか。

一方、電気工事の実務をする予定など無いのだが、とにかく肩書きとして第二種電気工事士免許を取得しておきたいので試験を受験する、という人の場合には、セットをポンと買ってしまうのがおすすめだ。メーカーごとの工具の違いを細かく知ったところで将来的に約に立つ知識にはならないだろうし、工具の手配に関して節約できた時間を他の事に回す事ができるうえ、わざわざ自分自身で面倒なチェックをしなくても買い忘れや買い間違いをする心配がなく、とにかく手軽だ。

ホーザンの工具セット

ホーザンというメーカーが電気工事士試験の受験用セットを販売しているのは特によく知られている。学校などで一括購入する場合は、このホーザン製のセットを購入する場合が多い。電気工事の分野の工具メーカーとしてはとてもよく知られたメーカーで、製品の品質は十分に信頼の置けるものだ。もちろん、現場でも十分使える品質だ。「迷ったときはホーザンを買えば間違いない」という考え方もできる。ただ、受験者の経済的負担を軽減するために、ケースやテープメジャーなどは、ちゃんとした工具ではなく、試験で必要最低限使える程度の簡易な道具をセットにした商品も販売しているので、その点は注意が必要だ。

ホーザンのセットの製品には、結構な種類のバリエーションがある。例えば

  • ワイヤーストリッパーが付属しているセットと付属していないセット
  • 電工用ドライバーが付属しているセットと、電工用以外のドライバーが付属しているセット

などのバリエーションがある。もちろん、セット内容によって価格も異なる。はじめから価格が高くて内容の充実したセットをまるごと買うという買い方もあれば、反対に、最も安いセットを買って、こだわって厳選したい工具を買い足す、という買い方もある。

ところで、実際のところ、受験会場ではホーザン製のセットの工具を使用している人がとても多い。そのため、もしもホーザン製のセットを購入するのならば、他の人の持ち物と混同しない様にしっかり管理する事が必要だ。自分の道具に名前を記入したり、色を塗ったりして、見分けが付くようにするなどの工夫の仕方もあるだろう。逆に、ホーザン以外の製品を使用する人は多くないので、他人の持ち物とカブりにくい。だからホーザン以外を使えば他人の工具と自分の工具の区別が付きやすいという利点がある。

バラならではの名作工具を選ぶ楽しみ

因みに私自身は、バラで揃えた。工具をたくさんの選択肢の中から選ぶのは、実際に楽しかった。そして工具に対する興味や関心がより湧いて、学習や受験に対する意欲が増えたと感じた。

特に、「この工具ならばこのメーカー」みたいな、老舗メーカーの定番品みたいなものあったりして、そういうものを知るのも楽しかった。例えば、「ドライバーと言えばベッセルのボールグリップ」だとか、「ウォーターポンププライヤーといえばエビ(ロブテックス)のアンギラス」とか、「Fケーブルの切断といえばスリーピークス技研の電工Fペンチ」とか、業界で逸品とされるロングセラーの製品があって、それらの製品づくりの工夫にも色々と感心してしまい、あらためて工具の楽しさというものが実感できた。

ベッセルのボールグリップドライバー
ベッセルのボールグリップドライバー

ロブテックスのアンギラス


スリーピークス技研の電工Fペンチ
スリーピークス技研の電工Fペンチ

在庫切れにはくれぐれも注意

バラでもセットでも、在庫切れには特に注意しよう。電気工事用の工具というのはそこまでマーケットの規模が大きいものではないので、販売者はそんなに多くの在庫を常時抱えているとは限らない。また試験のスケジュールと連動して、需要が集中するタイミングが毎年ある。それは多くの受験者が「そろそろ練習を始めたい」と思うタイミングだ。受験者ごとにバラバラな訳ではなく、多くの受験者が練習を始めたいと思う時期は一時期に集中しがちだ。そしてそれは裏を返せば「そろそろ練習を始めないと試験に間に合わない」という時期でもある。最悪なのは、練習をスタートしたいと思って工具を買おうとしたら在庫切れで、練習をスタートできる時期が遅くなってしまう、という事だ。練習量が足りないと、その分だけ合格を逃してしまう危険が大きくなる。

そんな事の無いように、需要のピークよりも前から、できるだけ早めに工具を準備して、早めに練習をスタートして、十分な練習をして、落ち着いて試験の本番に臨めるようにしておこう。

工具セットカタログ

ホーザン 工具セットDK-28

これが最も一般的なセット。ハサミみたいなタイプのVVFストリッパー入り。ドライバーはプラス・マイナス共に握りやすいボールグリップタイプ。
DK-28のセット内容の説明図


ホーザン 工具セットDK-29

指定工具のみの、最低限のセット。これにお気に入りのVVFケーブルストリッパーを買い足すという手もある。試験中に回して使う機会の殆ど無いマイナスドライバーは、 ボールグリップではなく廉価なものになっている。
DK-29のセット内容の説明図


ホーザン 工具セットDK-26

ストリッパーはガチャッと加工できるP-929が、ペンチはケーブルをラクに切断できるVVFペンチP-59-175がセットされている豪華タイプ。加工作業がかなり省力化できる筈だ。ただしドライバーは+-どちらもボールグリップではない。
DK-26のセット内容の説明図


ツノダ 工具セットTS-E01

コスパが高いツノダのセット。ストリッパー、圧着ペンチ、ウォーターポンププライヤー、ペンチは定評あるツノダ製品で固められている。青いグリップのホーザンに対してこちらは黄色いグリップで、自分の工具の見分けが付きやすい。


マーベル 工具セットMDKS-7VA

カーブ付きの刃でよく切れるMVA-1620が入ったセット。リングスリーブ用圧着工具はコンパクトタイプ。持ち手付きで丈夫なしっかりした工具入れに入っている。試験ばかりでなく実務でも十分使える工具入れだ。