2018年4月6日金曜日

工具の聖地「燕三条」とは

新潟県に燕市・三条市という市がある。そして両市にまたがる燕三条駅という新幹線の駅がある。両方の市は合わせて「燕三条」と呼ばれるひとつのエリアとしてよく知られている。

この燕三条では、伝統的に金属加工の産業が盛んであり、高度な技術と高品質な製品が生み出され、継承されてきた。今日ではこの事が刃物などの金属製の道具を使うプロたちばかりでなく、一般消費者にまでも広く認識され、燕三条ブランドという、地域一帯がブランドとして認められるまでに発展している。

こうした様々な金属加工製品の中には、電気工事の工具も含まれている。電気工事の工具にも品質の良し悪しがあり、それは刃物の切れ味であったり、ブレの無いスムースな可動であったり、加工の精密さや高度と粘りの共存による耐久性を持った素材開発などの製造技術によって左右される。

燕三条の優れた金属加工の技術は、電気工事用の工具の製造においても優位性をもたらしており、燕三条には優れた製品を製造する電気工事用の工具のメーカーが数多くあるのだ。電気工事と関係のあるメーカーには、次のものがある。

  • スリーピークス技研
  • マルト長谷川工作所
  • ツノダ
  • トップ工業
  • 旭金属工業
  • バクマ工業
  • 新潟精機
  • ANEX(兼古製作所)
  • 小林工具
  • 五十嵐プライヤー(現在は新潟県見附市に移転)
農作物等でなく、工業製品に関して生産地にこだわってアイテムを選ぶというのは、ちょっと意外に感じるかも知れないが、例えば窯業や繊維産業など、我が国ではよくある事なのだ。電気工事用の工具をこの「燕三条ブランド」で選ぶという選び方も、大いにアリなのではないだろうか。

VVFケーブルを加工しやすい様に独自に設計されたペンチ。2.0mmの3芯でも楽に切断できる。



偏心構造により握力を効率よく活用できる設計と、強力な切れ味の刃。


JIS規格のリングスリーブ圧着工具に最近参入したツノダ。コスパに優れた低価格で、早くも有力な選択肢に。


JISマークが無いのは、JIS規格を超える高級仕様のため。JISマークが無くてもみんな欲しがる。もはやトップ工業というメーカー名がスタンダード。