マーベルからVVFストリッパーが発売された。
第二種電気工事士試験の技能試験では非常に使用頻度が高く、大ベストセラーでもあるホーザンP-958にかなり良く似た外観だ。しかし、よく調べてみると、これは単なる「赤いP-958」なんかではない。
両者をよく比べてみると、MVA1620には、後発ならではの細かくて丁寧な工夫があちこちに行き届いている。
まず、線をカットする為の刃の部分だ。P-958だと刃が一直線なのに対し、このMVA1620では緩やかに凹のカーブがついている。これによってケーブルが逃げにくく、さっくりと安定したカットができる。
スプリングの形状も違う。P-958は、板バネが飛び出した様になっているのだが、気を抜いて作業しているとよくここにケーブルが挟まる。MVA1620では、全く違う形状のスプリングが採用されていて、P-958に比べて圧倒的にケーブルがスプリング部分に挟まりにくい構造になっている。
グリップも一見似ているようだが、MVA1620のほうが、P-958よりも握り心地が手に優しい。MVA1620のグリップの形状は全体的に見るとかなりP-958のそれにだいぶ近いのだが、握り締めたときに指の力が伝わる部分のカーブの形状がP-958よりも手にフィットしやすい形状になっていて、何度もくり返しケーブルをカットしても手の痛みが生じにくい。
赤いグリップのカラーも、他の受験者の持ち物と見分けが付いたり、自分が持っている他の工具と見分けが付きやすかったりして、実用的だ。
全体的にかなりP-958に似ていて、一見して目立つような特徴は特に無いのだが、とにかく細かい部分の地道な工夫がいくつもあるおかげで、ワンランク上の使い心地といえる。
販売価格はP-958と大体同じぐらいで、場合によってはP-958よりも安い場合もある。コスパの高さでは、P-958を上回っているのではないか。