2022年4月7日木曜日

各社のVVFストリッパー6種を比較

 第二種電気工事士の技能試験で最もよく使う工具と言っても良いのがVVFストリッパーだ。この種類の工具はしばらくの間ホーザンぐらいしか作っていないものだったが、2020年代に入ると一気に各工具メーカーがリリースした。受験者は多くの選択肢から選べるようになった。

もちろん第二種電気工事士試験に限らず、実務でのVVFケーブル加工作業を行ううえでも選択肢が増えた。そんなホットな製品カテゴリーの中からピカッと!はよく見かける6製品を集め、それぞれの特徴をまとめてみた。



ホーザン P-958

信頼のロングセラー

受験生にはよく知られた存在の定番モデル。P-958にはP-955、P-956、P-957と前身モデルがあり、機能を追加しながら進化してきた。学校等でまとめて購入される場合に採用されるケースが多い。そして誰にでも比較的使いやすい。
ホーザンP-958の外観写真

ホーザン(HOZAN) VVFストリッパー P-958



MCC VS-4A

芯線の3本同時ストリップに対応した最初のモデル

ホーザンの独壇場だったこのVVFストリッパー市場に、新たな選択肢として登場した。当時ホーザンの製品が芯線のストリップは同時に2本までしか対応していなかったのに対し、芯線の3本同時ストリップに最初に対応していた事で、人気を得た。その後、ホーザンの製品もこの製品に対抗するかのようにモデルチェンジして現行のP-958となり、芯線の3本同時ストリップに対応する様になった。

MCC VS-4Aの外観写真



MCC VA線ストリッパ VS-4A


MARVEL MVA1620

線にさっくり食い込むカーブ付き切断刃

2020年に登場した新しいモデルで、早くも人気モデルに。全体的にホーザンのP-958にかなり似ている。ケーブルの切断に使う刃の部分が凹状のカーブ付きで、線が逃げにくく、切断しやすい。この刃のカーブは実際に使いやすく、後発ならではのアドバンテージが生かされた設計だと感じさせる。
MARVEL MVA1620の外観写真


マーベル(MARVEL) VA線ストリッパー  MVA1620



ビクター 6200

握り心地が快適なエラストマー樹脂グリップ

高級感ある2色のグリップ素材で、握り心地が快適だ。力を入れて握りしめるという作業を繰り返し何度も行うわけだが、そんな作業をしても手が痛くなりにくいように配慮されている。
ビクター 6200の外観写真


ビクター 電工VA線ストリッパ ワイヤーストリッパー 6200



ツノダ VAS-230

性能は変わらず低価格で経済的

他社の製品と比べて機能や品質が劣っている訳でもないのに、低価格なのが魅力だ。ツノダ独自の東南アジア向上でのローコスト・高品質な生産ノウハウが活かされている。
ツノダ VAS-230の外観写真





フジ矢 FVA-1620

機能を絞り込んだコンパクトモデル

芯線のストリップ機能を1本ずつに絞り込んだモデル。コンパクトであるとともに、どこに合わせてストリップするか迷う必要が無く、またシースの切り口から電線の端の長さが多少不揃いになってしまっても気にせず作業できるため、ストレスの少なさで作業性は意外に快適だ。
フジ矢 FVA-1620の外観写真


フジ矢 電工VAストリッパー  210mm FVA-1620



2022年4月4日月曜日

実技本命の新定番になるか? マーベルMVA1620

 マーベルからVVFストリッパーが発売された。

第二種電気工事士試験の技能試験では非常に使用頻度が高く、大ベストセラーでもあるホーザンP-958にかなり良く似た外観だ。しかし、よく調べてみると、これは単なる「赤いP-958」なんかではない。

両者をよく比べてみると、MVA1620には、後発ならではの細かくて丁寧な工夫があちこちに行き届いている。

まず、線をカットする為の刃の部分だ。P-958だと刃が一直線なのに対し、このMVA1620では緩やかに凹のカーブがついている。これによってケーブルが逃げにくく、さっくりと安定したカットができる。

スプリングの形状も違う。P-958は、板バネが飛び出した様になっているのだが、気を抜いて作業しているとよくここにケーブルが挟まる。MVA1620では、全く違う形状のスプリングが採用されていて、P-958に比べて圧倒的にケーブルがスプリング部分に挟まりにくい構造になっている。

グリップも一見似ているようだが、MVA1620のほうが、P-958よりも握り心地が手に優しい。MVA1620のグリップの形状は全体的に見るとかなりP-958のそれにだいぶ近いのだが、握り締めたときに指の力が伝わる部分のカーブの形状がP-958よりも手にフィットしやすい形状になっていて、何度もくり返しケーブルをカットしても手の痛みが生じにくい。

赤いグリップのカラーも、他の受験者の持ち物と見分けが付いたり、自分が持っている他の工具と見分けが付きやすかったりして、実用的だ。

全体的にかなりP-958に似ていて、一見して目立つような特徴は特に無いのだが、とにかく細かい部分の地道な工夫がいくつもあるおかげで、ワンランク上の使い心地といえる。

販売価格はP-958と大体同じぐらいで、場合によってはP-958よりも安い場合もある。コスパの高さでは、P-958を上回っているのではないか。




2022年4月3日日曜日

ビクター 電工VA線ストリッパ 6200

 第二種電気工事士の実技試験では最も使う機会の多いVVFケーブル用のストリッパーがビクターから発売された。

高級感のある2色の素材を組み合わせたグリップが特徴的だ。

グリップ以外の部分は、ホーザンのP-958にかなりよく似ている。機能的に不足しているものはなく、目盛りの付き方などもよく似ている。ヒット作のP-958をかなりよく研究したのだろう。

ホーザンのP-958はよく出来た製品で、弱点らしい弱点と言える箇所もそうそう無いのだが、MCCのVS-4Aなどと比較した時に、グリップの握り心地があまり良くなく、力を入れて繰り返し使っていると手が痛くなりやすいのが確かに気にはなっていた。

ビクターもやはりそこをP-958の弱点と感じたのだろうか。この6200はグリップが非常に良くできている。厚みも長さもあってとても手に優しく、力を入れて繰り返し使っても手が痛くなりにくい。

また、細かい部分では、スプリングの形状がP-957とは違い、ケーブルが挟まりにくい形状に工夫されている。

多くの受験者がP-958を使う会場でこれを使えば、自分の工具の見分けが付きやすいというのもひとつのメリットだろう。

後発ならではの強みがしっかり活きた良品だ。これは買いだと思う。



ビクター 電工VA線ストリッパ No.6200
6200の製品写真