2018年9月3日月曜日

ケーブルカッター

第二種電気工事士の実技試験では、それほど太いケーブルを使わない。しかしそうは言っても、試験本番の直前に繰り返し追い込みの練習をしていて、何度も配線や加工の作業を続けていると、手に痛みや疲れを感じて来るものだ。特に3芯VVFケーブルや2.0のVVFケーブルの切断は、手へのダメージが蓄積しやすい作業ではないだろうか。

受験指導者の中には、VVFケーブルの切断にあたっては、今もなお、JISのペンチを使って切断せよ、という伝統に則った教え方をしている人も居るようだ。「ペンチを使ってこんな事もできない様では一人前じゃない」みたいな事をすぐに言いたがるのは従来わが国にありがちなひとつの風潮であった。しかし、2.0mmのVVFのさらに3芯ともなると、ペンチを使って切断する工程はさすがにひと苦労だというのが多くの人の本音ではないだろうか。


正直こういうどうでもいい部分でわざわざ苦労して、受験対策中の余計なストレスを増やすような事は、できる限り回避したいものだ。こんな時にちょうど役立つ工具に、ケーブルカッターというものがある。なにも手が痛いのを我慢してペンチで作業しなくたって、早く品質よく配線が完成すれば、試験にも合格するし現場での実務でもOKなのだ。色々な考え方をする人が居るとは思うが、このサイトは、ペンチ以外に快適に作業できる工具があるのなら、むしろそれを使って作業すれば良いではないか、という考え方だ。

一般的なペンチでVVFケーブルを切断する仕組みは、刃と刃をぴったりと突きつける様にして、押し切る様にして切る。一方、ケーブルカッターは、ハサミの様にすれ違う一対の刃によってせん断して切る。これらの切断のメカニズムの違いで、工具を扱う手に掛かる負担も異なっている。一般的には、ケーブルカッターの様にせん断して切る工具のほうが、手への負担がだいぶ小さい。

ケーブルカッターと同様にせん断する方式でケーブルを切断するのがホーザンのP-958のようなVVFストリッパーだ。この種のストリッパーを試験で使用する人は、ケーブルを切断する時にペンチでなくストリッパーを使うと、手への負担が少なく、楽に切断できる。

しかしこの様なストリッパーを使わず、例えばベッセルのプロコンなどの、機械式のVA線ストリッパー(ガチャガチャと動くあの便利なタイプ)を使おうと考えている人などの場合はどうしたら良いだろうか。P-958の様なストリッパーを用意してしまっても良いのだが、それなりに価格が高いので、費用の負担が増えてしまう。そこでケーブルカッターを使う事をおすすめする。P-958の様な多機能なストリッパーと比べれば、ケーブルカッターの方が安価で手に入る。

試験直前の追い込みでたくさん練習する場合などは、ワイヤーストリッパーを使うという選択肢も予め考慮しておくと良いだろう。


ベンチでも切れ味に定評があるフジ矢は、ケーブルストリッパーでも安定の切れ味。


低価格ながら、信頼の燕三条クオリティ。コスパで選ぶならツノダ。



あまり他のメーカーとカブらない緑色のグリップは、他人の道具と見分けが付きやすい。こだわりのエンジニア。