久々に「この製品は買い」と強く思った。
ガチャガチャと自動的に被覆をはぎ取り、VVFケーブルの加工を大幅に省力化し、スピードアップしてくれるのがこの機械式のVA線ストリッパーだ。そのVA線ストリッパーの、知られざる逸品がこのデンサンのエコエフリッパーDEM-203だ。
日本の有名メーカーの製品でありながら販売価格が5000円を切るという、驚異的な安さながら、機能も使い勝手も申し分ない。アジャスト機能もしっかりしている。
最近の売れ筋の製品にはあまり見られなくなった、シンメトリーな形状のタイプだ。枯れた技術に蓄積された豊富なノウハウを上手くアレンジし直して、安心感のある使いやすい製品にしたかの様な印象だ。エコ電線にもしっかり対応している。デンサンでは、故障の少なさと製品の寿命の長さをアピールして販売している。
興味深い点は、デンサンでは本製品以外にも、アシンメトリーな形状の現代的な製品も取り扱っているのだが、デンサンのケーブルストリッパーのカタログには、本製品がトップで最も大きく掲載されているという点だ。デンサンは、本製品をプッシュして行こうとしているのだろう。
あえて短所を言えば、重量が最近の売れ筋タイプと比較すると2~3割程度重い。実際手に持つと多少ずしりと来る感覚はある。なので軽さに関心の強い人ならば気になる点かも知れない。しかし個人的には、この信頼性と低価格ならば、多少の重さなど気にならず、むしろ他社の競合製品と比較しても、相当魅力があり、競争力のある製品だと思う。
個人的には、第二種電気工事士の実技試験を受験するだけならば、このような機械式のケーブルストリッパーは必要ないと思っているのだが、 これだけコスパが良く、質実剛健で味のある製品ならば、敢えて買ってみる価値もあると思う。もちろん、現場の実務で大いに役立ってくれるのは間違いない筈だ。
ベッセルとMCCばかりでなく、このデンサンの製品もぜひ注目してみて欲しい。きっと多くの人がこの製品への興味が湧くだろう。